青山人事労務代表/社会保険労務士
河野 創(こうの はじめ)
【資格】
・MBA, Tulane University
・社会保険労務士
・年金アドバイザー
多くの企業では今、人手不足に悩んでいます。若手の離職を止めるためにも、残業は少ないほうがいい。労働時間が短くなれば、従業員は心にゆとりを持って働けるようになり、結果的に生産性が向上し、人手不足の解消にもつながります。
これを働き方改革といいます。会社の生産性が向上することで経営に余裕が出てきます。経営に余裕が出てくれば社長の報酬も増えるし、従業員の給料も上がります。するとより優秀な従業員を雇用することができるので、結果としてますます会社が儲かるということになのです。
ですが、働き方改革を推進して生産性向上を実現しようという経営者は多くありません。
私は社会保険労務士としてコンサルティングを行う際、まず経営者の皆様は
【役員報酬は毎月200万円、月額利益も毎月200万円】を目指しましょう。
そのために人事労務を含めて会社全体で何をすべきか考えましょうとお伝えします。
経営リスクをかかえ、好不況にかかわらず、従業員を雇用していかなければならない経営者の責任は重大です。この責任を抱え会社を継続していかなければならな経営者はこの程度の報酬をもらわなければ割に合わないからです。
一方、会社の経営には思わぬことが生じます。いつも順風満帆とはいきません。昨今のコロナ禍のように経営者の努力ではどういもならない状況は突然やってきます。こうした場合、会社を存続させるためには、自己資金のほかに内部留保としてある程度の金額を準備しておかなければなりません。
人事コンサルタントとして、長期にわたり多くの経営者とお付き合いをさせていただいた結果がこの【役員報酬は毎月200万円、月額利益も毎月200万円】を目指すということなのです。
経験的に毎月200万円の報酬があれば、欲しいものはほぼ手に入るといっていいでしょう。高級外車を購入する、タワーマンションを購入する、子どもを小学校から私立に通わせることができる、等です。
実は、月額100万円の報酬の経営者が月額200万円になるのは、たいして難しい話ではありません。たとえばあなたの会社に社会保険を含めて毎月50万円を支払う従業員が2名いるとします。
働き方改革を進めて2名の従業員が退職しても後任者を雇う必要がない、あるいは2名の従業員を営業部門に配置することで売り上げを月額100万円増やすことができれば、たちどころに経営者の報酬は月額200万円になります。
働き方改革推進のカギは、トップダウンで進めること。そしてしかるべきステップを踏めばこの程度のコスト削減は簡単にできるのです。
百選練磨の経営者の皆様に向かって偉そうなことを申し上げましたが、私はメーカー入社後、企業派遣により米国の大学でMBAを取得。その後、社内最年少の海外事務所長として香港へ赴任しました。社内起業家として、新製品の輸出販売事業を立ち上げ、シンガポール、バンコク、クアラルンプールで、海外生産に向けた東南アジアの拠点作りに14年間従事しました。
香港駐在時代は、会社員でありながら会社経営を行ってきました。売上利益への貢献、香港大手量販店での7年連続トップシェア獲得などで社長賞を2回受賞しました。
サラリーマンではありましたが、事業が順調に立ち上がって以降は、社長としての報酬も額面で同じ年齢の社員の3倍程度は支給されていました。
その一方、事業を軌道に乗せるまでには山あり谷ありで経営者として修羅場も経験。資金繰りに苦労したこともあります。経営者の気持ちを理解し、社会保険労務士として経営者の心に寄り添った労務管理ができるよになったのも、この経験があればこそです。
話を働き方改革に戻しますが、余計な人件費を削減する方法はすでに確立され、その効果も検証されています。長いこと厚生労働省にも働き方改革を提言してきた小室淑恵さんという人事コンサルタントが提唱する【仕事調べ】という手法を用いて会社の作業のムダを洗い出す作業を行うことです。
やるべきことは三つ。一つ目は、労働時間の記録です。忙しい部署とそうでない部署を把握します。二つ目は、仕事調べ。従業員が一日のうちで、どのような仕事をしているかを把握することも大事です。三つ目は、社内や部署内でこうした情報を共有し、忙しい人の仕事をみんなで分担していくのです。これらを実行すれば残業が減り、従業員の仕事にもムダがなくなります。
また、営業部門では、顧客企業も巻き込んで、夕方に新たな用件を申し付けないようにお願いするなど一緒に取り組んでいくことが理想です。
経営者や管理職にも意識改革は必要です。例えば、品質にこだわらなくていい書類なら、誤字脱字を指摘して、何度も作り直しをさせなくてもいいはず。上司が積極的に仕事のムダを減らしていくことも大切です。
厚生労働省の調査でも、長時間労働は心身にマイナスの影響があると結論づけています。社内に『労働時間を短くしていこう』という雰囲気があるだけで、従業員は明るくなって、やる気が出てくるものです。
もちろん、働き方改革に取り組めば一時的なコストダウンはできるのですが、それで終わるわけにはいきません。適切な賃金制度、人事評価制度、退職金制度を作成し人材教育を行うことで従業員にもてる力を最大限に発揮してもらわないことには会社の安定的な経営につながりません。
私の仕事はこうした働き方の見直しや人事諸制度を改善することで、経営者の皆様に【役員報酬は毎月200万円、月額利益も毎月200万円】を達成していただくお手伝いをすることです。
「困ったら相談してください。」という姿勢を大切にしています。私の数多くある“引き出し”を開けて、困りごとを解決へと導いていければと考えます。
社会保険労務士として働き方改革を始め、人事労務で経営者の皆様にお役に立つことで社会貢献をしていきたいと思います。
慶應義塾大学卒業後、大手メーカーに勤務。総務部では一部上場企業同士の合併法務手続きを担当する。
1992年に企業派遣で米国Tulane Universityに留学、MBA取得。その後、1日利益1億円を稼ぐ営業部で海外営業を担当。1998年より社内最年少の海外事務所長として香港に赴任。
社内起業家として、B to Cビジネスを立ち上げ、年間4億円の売上を達成する。14年間、シンガポール、バンコク、クアラルンプールで、本格的な海外生産に向けた販売事業に従事。
帰国後は、本社人事部門で、社会保険労務士の資格を取得。社内で、国内・海外人事、安全、働き方改革等を担当。社会保険労務士として独立、2019年4月に合同会社青山人事労務コンサルティングを設立。